[2] 下絵として3Dを使う
人間のポーズを描く時、あなたは何を参考にしていますか。プロの漫画家さんの中にはアシスタントたちに描きたいポーズをさせて、写真で撮影し、それを参考にする方が多いと聞きます。特に格闘漫画の奇抜な技のシーンやラブストーリーのキスシーンなどは、参考にアシスタントたちにやっていただくと聞きます。アシスタントさんが男ばっかりだったら、男同士でキスシーンをやらないといけないわけですね。リアルを追求する漫画家さんなら、実際に唇をあわせてと要求しそうです。まったく大変なお仕事で頭がさがります。
他にも一人で作業されている方は「ポーズ人形」を使用している事もあるようです。ポーズ人形は関節部が稼働可能な木でできた人形で、いろんなポーズをとらせる事ができます。画材屋さんで2000円ほどで売っています。
コミスタとイラスタには3Dデータとして、なんとこのポーズ人形が付属しています。コミスタやイラスタ上で自由にポーズをつけられる事は前回学習しました。実はこの3Dポーズ人形をそのまま下絵にしてしまう事ができるのです。
といっても何も難しい事はありません。
3Dレイヤーを下絵に使用手順
①新規にページを作成し、[ファイル]メニュー→[読み込み]→[3Dファイル]を選択します。
②「第5回用3D素材」フォルダの中の「ポーズ人形子供]フォルダの中から「01_基本.lws」を読み込みます。
③[自動調節]ボタンを押します。
ポーズ人形は最適の大きさに調整されます。
④腕や足のパーツを[3Dマニピュレータ]で回転させ、ポーズを作ります。ポーズを作るための基本的な操作は、前回を参照してください。
⑤ポーズができたら、[3Dワークスペースプロパティ]で「カメラ」を選択し、アングルを決めます。
⑥アングルが決まったら、[レイヤー]パレットを見てください。[3Dワークスペース]というレイヤーフォルダがあります。他の[ラスターレイヤー]や[ベクターレイヤー]と同じく、表示非表示や、ドラッグにより、レイヤーの順番を変える事ができます。この[3Dワークスペース]は全体から見ればレイヤーのひとつなのです。
まず、[3Dワークスペース]をクリックして選択します。
⑦下絵として使用するために、不透明度を変えて薄くしましょう。通常のレイヤーとまったく同じ操作です。不透明度は自由に設定してもらってかまいません。ここでは50%に設定しています。
⑧[レイヤー]パレットを右クリックして、新規レイヤーを作成します。
レイヤーにはわかりやすい名前をつける習慣をつけましょう。ここでは「ポーズ下書き」というレイヤー名にしています。レイヤーの種類は[ラスターレイヤー]でも[ベクターレイヤー]でも普段使い慣れている方でかまいません。
⑨ここからは[3D]ワークスペースを下絵に絵を描いていきます。みなさんの腕の見せ所ですね。
ある程度ラフが出来てきたら、[3Dワークスペース]レイヤーの不透明度をもっと下げたり、[レイヤー]パレットの
アイコンをオフにして非表示にしてください。これらレイヤーの操作は通常のレイヤーと全く一緒です。
大事なのは、ポーズ人形はあくまでポーズの目安であって、あまり形状の影響を受けないようにしないと、みなさんのキャラクターの印象が変わってしまうというところです。この辺は慣れていくしかありません。